William GuyがFraser's Magazineに書いていた記事の一覧を作成し、ダウンロードしたファイルからPDFを作る作業。やたらと時間をとられた。作業の途中で1882年にGuyがreprintとして出版した1870年論文'The Claims of Science to Public Recognition and Support.'を入手。これは重要文献なので入手できてよかった。reprint版には、originalになかったScientific Houseのフロア図面があってよい。
Ch. 3 'The Victorian State in Comparative Perspective' (Peter Baldwin)
Mandler編集本の続き。
Liberty And Authority in Victorian Britain
- 作者: Peter Mandler
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr on Demand
- 発売日: 2006/09/21
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きちんとノートとると長くなるので、重要なポイントだけ。
Stateそのものが歴史研究の対象になったのは比較的最近で、それらは主にsocial scientistsによって担われていた。当初はStateとCivil Societyという対が存在すると考えられていたが、(public/privateという協会の揺らぎと同じく)次第にこの二分法よりも、その混合形態が注目されるようになった。
こうした混合形態への注目はFoucaultおよび、Nikolas RoseなどFoucaultに影響を受けて歴史を展開する論者たちによる。
- Colin Jones and Roy Porter, eds., Reassessing Foucault: Power, Medicine and the Body (London, 1994)
- Graham Burchell et al., eds., The Foucault Effect: Studies in Governmentality (Chicago, 1991)
- Nikolas Rose, Governing the Soul: The Shaping of the Private Self (London, 1990)
- Mariana Valverde, Diseases of the Will: Alcohol and the Dilemmas of Freedom (Cambridge, 1998).
さらに、Roseらはpsy-scienceを利用した(lawとは異なる)統制の方法について研究した。そこでのself-controlの重要性。
こうしたStateとCivil Societyの混合形態として社会を見れば、従来のminimalist Britain / Continentといった分割を問い直すことができる。
*Britian/Continentの区別をpublic healthで導入したのはErwin Ackerknecht。 * quarantinist: 移動の制限 (quarantine: /ˈkwɒrəntiːn/) * sanitationist: sanitary infrastructureの改善
- Ackerknechtの説では、個人の自由に介入しないliberal Stateは後者を好み、absolutistは前者を好む。
実態としては、両者は種類が違うだけでinterventionであり、liberalとされたイギリスはかなり大規模なsanitary interventionを行った。
- Edwin Chadwick(Benthamite)が思い描いたGeneral Board of Healthに対してlocalismによる根強い反対はあり、Chadwickが達成しようとしたことはしばしば失敗した。だが、それでもイギリスのpublic healthについての個々人の生活環境へのinterventionはフランスの比ではなかった。
19世紀中にコレラ対策として実施されたhealth inspectorsによってhouse-to-houes visiationは大陸では前例のない規模だった コレラの初期症状はそれほどひどい者に見えないので、self-reportingは信頼性がないとして退けられ、regular surveillannceが行われた。(p. 56)
- 実際に見ることを合理的な行為にするものとしての観察者の能力の欠如が理由としてあげられている。
John SimonがMedical Officer of healthだったとき,poorが住む地域でのsanitary conditionsの改善進捗状況を定期的に報告させるシステムを構築。
その他もろもろのinterventionをみると、大陸と対になる'liberal Britain'という表現や、sanitary movementはnon-interventionistだというのはは難しい。
国家の介入についてのイギリスと大陸の比較が税制(イギリスにおける所得税の導入とフランス、プロイセンにおける抵抗)という観点からも検討されている。ここから、free tradeというlaissez-faireにみえるな政策が、income taxというlaissez-faireでない税源に支えられていた可能性を指摘している、
その他の読書
読んだ。
- 石田好治(2003)「自由放任主義と摂理論 : ジェイコブ・ヴァイナーとボイド・ヒルトンの所説を与件として」『政策科学』 10(2), 111-120, 2003-01
evangelicalismと訪問慈善活動について触れられていて勉強になった。これについては、以下の文献で論じられているようだ。
- Brain Dickey, ‘Going about and doing good: Evangelicals and Poverty c.1815-1870’, in Wolffe (ed.), Evangelical Faith and Public Zeal, SPCK, 1995
Evangelical Faith and Public Zeal: Evangelicals and Society, 1780-1980
- 作者: John Wolffe
- 出版社/メーカー: SPCK Publishing
- 発売日: 1995/09/14
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