没落亭日誌

科学史/メディア論のリサーチ・ダイアリー

ジャーナル

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科学史

科学史の一般誌としては以下。

Isisが科学史のトップジャーナル。その姉妹誌である、Osirisは各号が特定のトピックを扱うテーマ誌。Osirisは年一回発行なので、基本はIsisをチェックして、Osirisもときどきという感じ。

Isis以下ではBritish Journal of the History of Science(BJHS), Science in Context, History of Science, Annals of Scienceがいい雑誌だとされている。この雑誌間の序列についてはよくわからない。BJHSが二番手という説もあるが、個人的にはScience in Contextの方がおもしろいような印象がある。ただ、これはScience in Contextがマックスプランク科学史研究所関係者が多い=historical epistemology系の論文が載りやすくわたしの個人的興味に答えてくれるというだけのような気もする。History of ScienceのほうがBJHSよりややおもしろい気がするが気のせいかもしれない。Annals of Scienceはそこまでおもしろくない印象があるが、知人によるとこの雑誌は比較的intellectual history系に近いらしいので、これまた好みの問題のように思える。ただこの四つの雑誌の差というものは、おそらくIsis/それ以外との差に比べればかなり小さいのだろうと思う。

歴史があまり多くない者の科学社会学/科学人類学系のSocial Studies of Science(SSS)がある。SSSは歴史があまり扱われないが、おもしろい論文がわりと多く、かつてはIsisとSSSが双璧だったような印象があるのだが、最近は科学史家はSSSを読まないらしい。あと、科学の社会史系の雑誌Minervaは大学史などの制度史系で勉強になる論文がときどき載っている印象があるが、単にRoy Macleodが載せていただけのイメージかもしれない。

それ以外は生物学史、天文学史などの個々の科学分野の歴史になる。科学史の中でも社会科学系のものは専門誌があまりない。 History of the Human Sciencesは人間科学を一般に扱っていて、わたしは個人的には好きなのだが、個々の論文のクオリティーは玉石混淆感が強い。History of Political Economyは経済学史系で、ときどき科学史寄りのものものる。Journal of the History of Economic Thought も、経済学史系。Journal of the Behavioral SciencesとかEconomy and Societyにときどき社会科学史系のものが載ることがあるが、クオリティーは個人差が大きい。19世紀医学史はわりと統計学と関係することも多いのだが、医学史自体はかなり大きいジャンルなのであまり雑誌を把握できていない。わたしが読むことが多いのはSocial History of Medicineである。

Journal of the History of Ideasは思想史系だろうか。ときどき読む。Royal Societyが出している科学史雑誌Notes and Recordsもときどき読むが、これも思想史よりなのだろうか、あまり位置づけがよくわかっていない。Royal Society関連の歴史はこの雑誌に載っていることが多い印象がある。

社会学のトップジャーナルとされるAmerican Sociological Review (ASR)やAmerican Journal of Sociology(AJS)にあまり社会学の歴史系論文が載っている印象はない。だが、社会学者が社会学の歴史に興味を持つことはしばしばあり、論文ではなく書籍で出る場合が多い印象があるが、念のため雑誌をチェックしておいて損はない。

かつて、社会学の歴史に捧げられたJournal of the History of Sociologyという雑誌があったようだが、これは1978年に開始され、1983年に終刊した。これについてはこの雑誌創刊の経緯を書いた論文と、創刊時のIsisのレビューがある。

メディア論

メディア論系の雑誌はよくわからない。Critical Inquiryは哲学、美術史、人類学、科学史などが交差する学際系人文誌だと思うが、科学史家やメディア論系のひとが寄稿することがあり、おもしろい印象がある。Lorraine DastonやSimon Schafferが書いていたりする。Grey Roomはメディア論系の雑誌だが、STSなどの科学技術系の話との学際的な話がされるときがある。また、メディア論のFriedrich Kittler系の議論はTheory, Culture & Societyに載っている印象がある。

技術史系の雑誌としては、Society for the History of Technology (SHOT)が出しているTechnology and Cultureがある。

ドイツメディア論系は以下の雑誌にも議論がのるらしいが、読んだことはないのでよく知らない。

イギリス史系

イギリスでイギリス史をやる人はひとまず以下の雑誌を読むらしい。Past and Presentが一番有名な気がするが、気のせいかもしれない。

また、History Workshop Journalもいいような印象を聞くが、ひとによって評価が分かれるような気もする。これは社会史系や、下からの歴史学系のイメージが強いからかもしれない。

イギリスの人はアメリカの雑誌を読まないのかもしれないが、一般に歴史学では以下もよいとされている。

あと、アメリカ系イギリス研究は以下。

歴史学一般ではないが、ヴィクトリア時代研究史としては以下がある。

Economic History系では以下の雑誌がよいらしい。が、わたしはあまり読まない。

東アジア系

イギリスでイギリス史でトレーニングを受けたのでよくわからないが、東アジア系では以下の雑誌がある模様。もうすこしこの辺にも詳しくなりたいところ。

台湾政府に支援されて発行されている雑誌。

読んだことはないが、critical theory系なのだろうか。

文学系

19世紀系英文学については以下を読んでおけばいいらしい。