個別の分野を超えた総合humanities系の雑誌として有名なものとしてCritical Inquiryがあり、大物科学史系のひとが寄稿することはしばしばあるのだが、Critical Inquiryと同じくらい有名なRepresentationにも時々科学史家が書くことがある(Lorraine DastonとPeter Galisonの1992年論文'The Image of Objectivity'とか)。
Representationの最新号をみていたら、特集号がVisual HistoryでDaniela Bleichmarが編者の一人であった。このひとはDastonとElizabeth Lunbeck編集のHistories of Scientific Observationのなかでスペインの博物学者がどうやってラテンアメリカの植物をスペインにいながら観察するのかについてハイレベルの論文を書いていて、大変感銘を受けた。
Histories of Scientific Observation
- 作者: Lorraine Daston,Elizabeth Lunbeck
- 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
- 発売日: 2011/02/01
- メディア: ペーパーバック
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このひとは、ラテン・アメリカにおける博物学の観察の歴史と、そこにおいて絵や視覚が果たした役割について研究していて、私の狭義の専門とはほとんど関係ないが、科学史的なものとメディア論的なものの融合という意味ではすごく面白いと思うので今後も注目していきたい。すでに単著を二冊書いている。
Visible Empire: Botanical Expeditions & Visual Culture in the Hispanic Enlightenment
- 作者: Daniela Bleichmar
- 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
- 発売日: 2012/10/08
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Visual Voyages: Images of Latin American Nature from Columbus to Darwin
- 作者: Daniela Bleichmar
- 出版社/メーカー: Yale University Press
- 発売日: 2017/10/10
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本人のサイトは以下。University of Southern Californiaで教えているらしい。
BleichmarがRepresentationで特集をしているのを見つけたのは完全に偶然の産物だったので、今後も定期的にCritical InquiryとRepresentationはチェックしておいたほうが良さそう。