没落亭日誌

科学史/メディア論のリサーチ・ダイアリー

14 March 2019

Mandler強化月間。

The Uses of Charity書評

Peter Mandler編のUses of Charity: The Poor on Relief in the 19th Century Metropolis (Shelby Cullom Davis Center)(1990, University of Pennsylvania Press) についての書評。(Slum TravellersのEllen Rossが寄稿している。)

  • Sandra Meucci, Contemporary Sociology, Vol. 20, No. 3 (May, 1991),

要約的。Mandlerがsocial controlの側面を強調しすぎないようにしていることにやや批判的?また、救済を受けることにスティグマがそれほど強くなかったという議論にも懐疑的。

  • Michael Reisch, The Journal of American History (September, 1991)

施す者と、それを受け取る貧民の経験の両者を描くものとして有益らしい。女性がcharityに参加したことの意味、それによる女性の地位向上というのが一つの主題で、これについてはよくかけていると評価。

  • Dorothy Thompson, Victorian Studies, Vol. 35, No. 3 (Spring, 1992), pp. 321-322

かなり批判的。London, Paris, Antwerp, New Yorkという複数の都市が扱われているのに、comparativeな議論が欠如している、またexperienceを扱うといいながらあまり扱えていないという理由。Michael KatzのNew Yorkのあるファミリーのライフヒストリーみたいなのと、Londonを扱ったEllen Rossの両者はcharityを受ける側の視点から描いているので読むに値するという感じの評価。

どうも、まとまりがなさそうなので、イントロだけ読めばいいかな。Rossのは追々読んだほうがいいけど、いまはいいかな。

Aristocratic Government書評

Peter MandlerのAristocratic Government in the Age of Reform: Whigs and Liberals, 1830-1852(1990, Clarendon Press of Oxford University Press) についての書評。

* Nicholas RogersThe American Historical Review, Vol. 101, No. 4 (Oct., 1996), pp. 1207-1208

Whigと呼ばれる人たちが複数のグループに分解できるというものらしい。Economic Liberalismに惹かれたものたちもいるが、Whig主流派はaristocraticでFoxiteなひとたちだとされる。こうしたグループはEdinburgh Reviewを重要な媒体とし、rustees of peopleとして働き、ひとびとの生活水準を改善することで、democraticなreformを避けることを目指したとされる。ただ、Mandlerの貢献によって明らかになった、John RusselなどのWhigの中でのgovernment intervention的なものやcentral governmentの強化への関心みたいなものは、全体的しては比較的小さな出来事であったような感じの書評。あまりわたしが読まなくてもよさそうな本という印象。

Liberty and authority

Peter Mandler (ed.) Liberty And Authority in Victorian Britain. (Oxford: Oxford University Press, 2006.)についての書評。

書評を四件ほど読んでノートをとっていたのだが、昼寝している間にgooogle driveの障害関連で消えてしまった模様。

  • PHIL HANDLER (2007). Continuity and Change, 22, pp 357-358
  • Anthony HoweThe American Historical Review, Vol. 113, No. 1 (Feb., 2008), pp. 247-249
  • Susan Pedersen, The Historian, Volume70, Issue2, Summer 2008, Pages 377-378
  • Julia Stapleton, Victorian Studies, Vol. 49, No. 4 (Summer, 2007), pp. 725-727

要約すると、これはそれぞれのチャプターのレベルが高い優れたサーベイ論集なのでヴィクトリア朝イギリスの政治文化入門書として最適らしい。

やる気がなくなったので、金澤2008『チャリティとイギリス近代』第二章を読む。

その後、Peter Manlder, Liberty And Authority in Victorian Britainのイントロダクションを読み始める。

Liberty And Authority in Victorian Britain

Liberty And Authority in Victorian Britain