没落亭日誌

科学史/メディア論のリサーチ・ダイアリー

10 March 2019

そろそろ帰国一月半たったので、研究を再開することにする。

前日開催された本郷概念分析研究会で博論第五章「Virtuous Statisticians and Their Learned Blindness」の論文化について相談したところ、William Guyのチャリティー批判をするにしても、もう少し19世紀イギリスにおける政治的背景を書き込んだ方が良いのではないかという話になる。ちょっと調べなくては。

当時のScientific Charityをめぐる議論、誰かがしていたような気がするのだが思い出せない。Eileen YeoのThe Contest for Social Science Relations and Representations of Gender and Classだっただろうか?

The Contest for Social Science: Relations and Representations of Gender and Class

The Contest for Social Science: Relations and Representations of Gender and Class

ちょっと、Yeoの本が見つからなかったので、Cambridge History系のebookでもダウンロードして探そうかと思ったが、なぜかRavenにログインできるのにlibrary online resourcesにアクセスできない。5月くらいまではアクセスできるといわれたのだが。学振が始まるまでは京大の図書館も使えないので、まったく英文誌にアクセスできないので困った。さらにODNBにもアクセスできない。これ、研究できないのでは。ケンブリッジ図書館にメールを書いて問い合わせる。

ひとまず、実家に置いてあった金澤周作の『チャリティとイギリス近代』第一章を読む。とくにscientific charityのはなしはでてこなかった。

チャリティとイギリス近代

チャリティとイギリス近代

ciniiで拾えた以下の論文も読む。

  • 岡村東洋光「ジョーゼフ・ラウントリーの「公益」思想 : 三トラストの活動を中心に」『経済学論集』 78(1), 2-15, 2012-04

Joseph Rowntreeは社会調査で有名なSeebohm Rowntreeのお父さん。Joseph Rowntree事態も飲酒について調査していて、そのノウハウが息子に継承された可能性があるらしい。父Rowntreeの伝記は邦訳があるらしい。読んでみようか。

  • 佐伯岩夫、岡村東洋光訳(2006)『ジョーゼフ・ラウントリーの生涯:あるクエーカー実業家のなしたフィランソロピー』 (= Anne Vernon (1958)A Quaker Business Man: The Life of Joseph Rowntree. Routledge)